外国人住民とのコミュニケーションの場を育む

外国人住民の妊娠から子育てを支える枠組み構築の支援 

<支援者対象> 外国人対応場面におけるコミュニケーションスキルの向上・機械翻訳ツールの上手な使い方

<外国人妊婦や子育て中の養育者対象> 子育て関連の日本語を学ぶ機会の提供

<外国ルーツの未就学児対象>  日本語の音韻意識の確認、発音評価

 

 株式会社ことのはラーニングは「やさしい日本語普及連絡会」の法人会員です  

  https://www.yasanichi.com/

<プロジェクトの背景>

日本に滞在する外国人は総人口の約2%を占めます。地域の保健所や病院でも、在留外国人や外国にルーツをもつ人に対応する場面は増えています。外国人とは英語で話さなければならないと考えてしまいがちですが、日本語を話せる人は、英語を話せる人より多いという調査結果もあります。

とはいえ、外国人の日本語習得レベルには個人差が大きいです。外国人対応経験の多い保健師によると、フィリピンやインド出身者は英語が通じますが、それ以外のアジア諸国の出身者の場合、英語より日本語のほうが通じるそうです。ただし、中国や韓国以外の人は、日本語を話せても漢字が読めないことが多いことに注意する必要があります。それに、漢字にルビをふるだけでは、日本語の語彙の少ない人には情報が伝わりません。情報提供者側は、やさしい日本語での情報伝達、すなわち話し言葉や配布物の難易度に配慮する必要があります。

また、「やさしい日本語」での情報に「やさしい英語」の情報を加えることで、相手により確実に伝わることもあります。日本人が学校教育で英語を学ぶのと同様に、出身国において英語を第二言語として学んだ外国人は少なくありません。私たち日本人が海外旅行をするときに、現地の言葉がわからなければ英語を頼りにしますが、日本語からの情報収集が十分にできない外国人は、英語からの情報で補いたいと考えるでしょう。

近年、日本語を多言語に訳すAI翻訳機が市販されたり、無料の翻訳アプリが登場し、その翻訳精度は飛躍的に向上しています。英語だけでなくベトナム語やポルトガル語などにも訳してくれますので、これを使わない手はないですが、機械翻訳のクセを理解して適切に使わないと誤解を招く訳文が表示される可能性があります。

弊社の本プロジェクトでは、機械翻訳ツールの使い方を含めて、外国人対応場面におけるコミュニケーションスキルの向上のための研修や教材開発を行います。また外国人住民に対する日本語学習支援についても、これまでの研究成果を踏まえて、主に外国人妊婦や子育て中の養育者、外国ルーツの未就学児を対象にした学習アプリの開発や実証実験を進めていく予定です。


 本件に関連した講演活動 

2022年 第31回JTF翻訳祭(オンライン開催 10月4日~11月30日)「やさしい日本語・やさしい英語 ~皆が暮らしやすい社会に~」 

 https://www.31stjtffestival2022.com/info  (2列目左の写真をクリックすると講演概要が閲覧できます)

・2023年2月16日 第5回在住外国人の保健・医療を考える会 テーマ『言葉の対応、最前線!』

 登壇者の1人として発表「やさしい日本語・英語・多言語 ~自治体の子育て支援部門における外国人対応」

・2023年3月6日 翻訳カフェ シーズン4「医療現場・公共サービス提供場面における機械翻訳および医療通訳の利用について」

 https://translationcafe.chillout.jp/2023/03/02/meeting-96/


関連サイト:

「在住外国人の親子のことば支援」  https://premium-english.biz/researchforchildlanguageacquisition/  

「外国人(がいこくじん)のこどもとママのための日本語(にほんご)」 https://preschool-kotoba.online/